「中学入試でプログラミングっていつから導入されているのかな?」
「どこの中学校でプログラミング入試が使われているの?内容を知りたい」
「そもそもなんで、中学受験でプログラミングが導入されるようになってきたの?事情を知りたい」
など、中学校のプログラミング入試について気になることはありませんか?
2020年度に、小学校でついにプログラミング教育必修化がはじまりましたね。こうした背景を受け、私立中学校プログラミング入試を導入するところが増えてきました。
プログラミング入試は、全ての中学校で導入しているわけではありません。ただ、子どもの中学受験を考えている方は、早めに入試対策をしておいたほうがいいでしょう。
そこで、このページでは中学校のプログラミング入試について、以下の内容をお伝えしていきます。
このページでわかる中学校のプログラミング入試のこと
- プログラミング入試が導入されだした背景
- プログラミング入試を導入している中学校の紹介
- 入試内容の例
- 対策方法の紹介
順番に見ていきましょう!
プログラミング入試を導入する中学校が出てきた!背景を解説
まず、プログラミング入試を導入する中学校が出てきた背景を解説しましょう。
その前に、現在、日本の学校教育において、プログラミングがどのように導入、導入予定なのかについて触れなければなりません。
これから先、プログラミング入試は高校と大学の入試にも及ぶ可能性大
プログラミング入試は、中学入試に終わらず、今後、高校や大学受験にも影響を与えるといえます。
現在のプログラミング教育と、今後のプログラミング教育の導入についてまとめました。
- 2020年度、小学校でプログラミング教育必修化
- 2021年度、中学校でプログラミング教育必修化
- 2022年度、高校でプログラミング教育必修化
- 2024年度、大学入試共通テスト(旧センター試験)にてプログラミング(情報Ⅰとして)を入試に追加することを予定。テストでは「思考力・判断力・表現力」を重視する
なお、大学受験でおなじみセンター試験は、2020年をもって最後。令和3年度(2021年度)からは、センター試験から「大学入学共通テスト」になります。
参照・参考:「未来投資戦略2018 |首相官邸ホームページ」
このように、プログラミング教育は「特定の人が触れる学問」ではなく、「通常の授業でも登場する」学問になっていきます。当然、高校と大学の入試にも影響を与えるでしょう。
一般の家庭でも、国語や算数と同じように、「プログラミングにかかわらざるを得ない」ようになるのですね。
近年、急速に進むプログラミング教育の背景には、
- 近年のグローバル化、デジタル化への対応
- 日本の将来のIT技術者人口不足への対応
などがあります。
子どもへの教育の底上げを図ることで、日本のIT化に変革を図ろうとしている段階といえるでしょう。
こうした世の流れを受け、中学受験でもプログラミング入試を導入する中学校が登場しだしたのです。
プログラミングが入試に導入されだしたのはなぜ?中学受験はどんどん多様化してきている
さらにもう少し、中学校でプログラミング入試が導入されだした理由をお伝えしましょう。
現在、プログラミング入試は、首都圏の私立・国立中学受験を中心に増えています。
一般的に、中学入試といえば、国語・算数・理科・社会があります。(国語・算数の2科目だけのところもあります。)
しかし、近年の中学入試では、英語・プレゼンテーション(自己アピール)・適性検査など、「多様化に満ちた」入試も実施されるようになってきました。
子どもの知識だけでなく、「個性」や「自分の頭で考える」こと、「思考力」「表現力」を重視するようになってきたのですね。
こうした多様化に満ちた時代を受け、「プログラミング入試を導入する中学校も出てきた」というわけです。
プログラミング試験を導入している中学校を紹介!いつから実施しているの?
この章では、どこの中学校がプログラミング入試を導入しているのか紹介しましょう。
2020年(2020年度入学生)にプログラミング入試を導入した8校
2020年にプログラミング入試を導入している首都圏の中学校をまとめました。首都圏は全部で6校あります。実際に使われた入試のツールや、内容もあわせて記載しています。
- 相模女子大学中学部(神奈川県):ロボットプログラミング(レゴ社製のマインドストームEV3)を使った入試
- 聖徳学園中学校(東京都):マインクラフトかSpheroを使った入試
- 駒込中学校(東京都):STEM入試
- 大妻嵐山中学校(埼玉県):もともとあった「ORみらい力入試」にプログラミング入試を追加
- 八王子実践中学校(東京都):プログラミング入試実技(ジュニア・プログラミング検定Scratch部門の検定を持っている場合、実技試験免除され面接のみに)
- 聖和学院中学校(神奈川県):英語プログラミング入試
中でも、大妻嵐山中学校では、2018年の入試(2019年度入学生)からすでにプログラミング入試を導入。
八王子実践中学校と聖和学院は、2020年から新たにプログラミング入試を導入しています。
首都圏だけでなく、近畿の私立中学校でもプログラミング入試を実施しています。
- 追手門学院中学校
- 追手門学院大手前中学校
追手門学院中学校と追手門学院大手前中学校では、ロボットプログラミングを使用。試験では、子どもの「思考力・判断力・表現力・主体性・協働性・多様性」を評価しています。
ジュニア・プログラミング検定の入試優遇措置もチェック!
ところで、中学校のプログラミング入試では、「ジュニア・プログラミング検定」の入試優遇措置を導入しているところもあります。
令和3年度(2021年度)入学対象者に、検定合格者を対象に入試優遇措置をおこなっている中学校をまとめました。
- 日出学園中学校(千葉県)
- 八王子実践中学校(東京都)
- 相模女子大学中学部(神奈川県)
- 愛知真和学園 大成中学校(愛知県)
参照・参考:「入試優遇|ジュニア・プログラミング検定 | 資格検定のサーティファイ│あなたのスキルアップを応援します|」
また、ジュニア・プログラミング検定の優遇措置は、2020年度からすでにおこなっています。
こちらの記事もぜひ参考になさってください。
ちなみに、日出学園中学校と愛知真和学園 大成中学校は、検定の合格をあくまでも「出願資格と合格判定の考慮」として使っていますね。プログラミング入試そのものはありません。
ジュニア・プログラミング検定の入試優遇措置は、今のところ都市部での傾向ですが、今後、地方にも広がっていくでしょう。
中学受験を考えている家庭は、ジュニア・プログラミング検定を受けたりするなどの対策も大事ですね。
中学校のプログラミング入試内容は、子どもの「考える力」を見ること。実際に入試ですることを解説
では、実際にどのようにプログラミング入試がおこなわれるのか、実例を紹介しましょう。
相模女子大学中学部のプログラミング入試の例をまとめました。
- 授業・プログラミング(100分間):試験の解説をおこなった後、レゴ社製「マインドストームEV3」のアプリでプログラミングを組み、ロボットを動かす。ブロックを落とす・ボールをアームでつかむなどの動作がある
- 発表・ディスカッション(約20分間):3つのグループに分かれてプレゼンテーションをおこなう。どうやって考え工夫をしたのかなどを発表していく
- 基礎算数力テスト(20分間)
参照・参考:「思考の軌跡を辿る相模女子大学2月1日午後のプログラミング入試|受験情報ブログ|首都圏模試センター」
ロボットプログラミングの試験を通じ、「思考の軌跡」として子どものこういった要素を見ています。
- ミッションクリアまでの姿勢
- プログラミングへの理解力
- ロボットのモーターへの理解力
小学校では基盤として「論理思考・プログラミング的思考」を育むことが目的。英数字などのコードを使った入試ではありません。
子どもと大人のプログラミングに対する姿勢の違い
ところで、こういった子ども向けプログラミング入試で興味深いのが、大人のプログラミング教育への疑問です。
保護者の中にはプログラミング入試に「この試験が何になるの?」と、疑問を持つ方も少なくありません。また、子どもと同じプログラミング入試を受けたところ、子どものようにできる方は少ないようです。
これは、大人と子どもの先入観や頭の柔らかさの違いなどがあるでしょう。
さらに、大人はすでに「これが自分にとって何のメリット(報酬・仕事)があるのだろう?」と、報酬などの「外側からのメリット」を知っています。
こういった「外側からのメリット(誘発)」からのやる気を、外発的動機付けといいます。
しかし、大人子どもに限らず本当に大事にしたいのは、内側から起こる、純粋に楽しむ力、おもしろいと感じる力、向上心など。
こういった「内側からのやる気」を、内発的動機付けといいます。
人は、外発的動機付けよりも、後者の内発的動機付けによって自主性と能力が育つことが分かっています。
もちろん、試験で100点を取ることは大事。しかし、中学校のプログラミング入試では子どものこういった「内側からの力」も見られているのかもしれません。
プログラミング試験はプログラミング教室やプログラミング教材で対策できる
ここまで中学校のプログラミング入試についてお伝えしてきました。
今回紹介した中学校だけでなく、数年後にはもっとログラミング入試を導入する中学校が増加するでしょう。
そこで、プログラミング入試対策として、教室や教材、検定も解説します。プログラミング入試対策を考えている方は、ぜひ参考になさってください。
プログラミング教室に通う
対策で最も一般的なのは、子ども向けプログラミング教室に通うこと。今お読みいただいている方の中にも、すでに子どもをプログラミング教室に通わせているという方がいるかもしれませんね。
プログラミング教室に通うメリットをまとめました。
- 講師から教わることで正しい知識が身に付く、安心感がある
- 専門のプログラミング教材に触れることができる
- 他の子どもたちから刺激を受ける
- 大会やイベントなどに参加できるチャンスがある
- 学校で教わることよりも深く教えてもらえたり、先に学習できたりする
プログラミング教室は、他の子どもよりも先にプログラミングの基盤ができるのが魅力ですね。
おすすめの子ども向けプログラミング教室もまとめました。
- ヒューマンアカデミーロボット教室:全国シェアNo.1の教室
- エジソンアカデミー:ヒューマンアカデミーロボット教室に次ぐ大手
- クレファス:ロボットコンテスト出場の常連教室
- LITALICOワンダー:首都圏を中心に展開する質の高い教室
- レゴスクール:レゴ社運営のプログラミング教室
「プログラミング入試に有利な教室」となると、目的の中学校の入試で登場する教材を使っている教室が有利でしょう。
レゴ社製の教材を使っている中学校がありましたが、レゴ社製はクレファスやLITALICOワンダー、本家レゴスクールなどが使っています。
それぞれのプログラミング教室を紹介した記事もあるので、ぜひ参考になさってください。
ヒューマンアカデミーロボット教室の記事はこちら。
エジソンアカデミーの記事はこちら。
クレファスの記事はこちら。
LITALICOワンダーの記事はこちら。
レゴスクールの記事はこちら。
プログラミング教材(ロボット・アプリ)に慣れ親しんでおく
プログラミング教材(ロボット・アプリ)を使いこんで、慣れ親しんでおくのもおすすめです。
おすすめのプログラミング教材をまとめました。
- アーテックロボ:縦横ななめにつなげられるブロックが魅力のプログラミングロボット
- KOOV:SONY製の見た目が美しいプログラミングロボット
- レゴ(R)マインドストーム:世界基準で質の高いプログラミングロボット
- Scratch(スクラッチ):世界的に有名なビジュアルプログラミング言語
- Viscuit(ビスケット):日本生まれのビジュアルプログラミング言語
この中でも、ビジュアルプログラミング言語の代表格であるScratchは、できるようになっておいたほうがいいですね。
小学校のプログラミング教育で、視覚で理解できるビジュアルプログラミング言語の習得は大前提となるでしょう。
また、プログラミング教室の紹介でも登場しましたが、レゴ社製のロボット教材もプログラミング入試で登場する可能性が高いです。
こちらに、他にもおすすめのロボットプログラミング教材を集めていますので、参考になさってくださいね。
プログラミングの検定を受ける
中学校のプログラミング入試対策には、プログラミングの検定を受けておくのもいいですね。一番おすすめなのは、前述でも登場した「ジュニア・プログラミング検定」です。
ジュニア・プログラミング検定とは、Scratchを使ってプログラミングスキルを測る検定のこと。前述でお伝えしたように、入試で優遇措置を取っている中学校もあります。
試験では、「柔軟な発想」「客観的な力」が問われます。
検定の勉強を通じてプログラミングの力が身に付くだけでなく、合格すれば優遇措置を受けられる中学校もあるので、ぜひ挑戦していただきたいですね!
ジュニア・プログラミング検定の記事はこちら。
【まとめ】プログラミング入試を導入する中学校は増えてきている!早めに対策をしておこう!
中学校でのプログラミング入試についてお伝えしてきました。最後に、お伝えしてきた内容をまとめましょう。
- プログラミング入試を導入する中学校は首都圏の私立・国立中学校を中心に増えてきている
- 今後、プログラミング入試は高校と大学の入試にも及ぶ可能性大
- 中学校のプログラミング入試は早いところだと2018年から実施
- 2020年度では首都圏6校、近畿地方で2校プログラミング入試を導入している
- 実際の入試では、コードを書くのではなくアプリでプログラミングを組み、課題への取り組み方を見るなどがある
- プログラミング試験は、プログラミング教室やプログラミング教材で対策できる
プログラミング入試を導入する中学校は確実に増えてきています。子どもの中学受験を考えている方は、ぜひ早めに対策をしておきましょう!