「小学生の子どもがいるんだけど、プログラミング教育がはじまったこともあってプログラミング検定に興味がある」
「子どものためにプログラミング検定の受験を考えているけど、どんな検定があるのかな?料金とか気になっている」
など、小学生向けのプログラミング検定について気になっていることはありませんか?
2020年に小学校でプログラミング教育がはじまったこともあり、親としては小学生向けにどんなプログラミング検定があるのか気になるところ。
そこで、このページでは以下の内容をお伝えしていきます。
- 小学生向けプログラミング検定5選+1選
- プログラミング検定を小学生のうちに取っておいたほうがいい理由と注意点
順番に見ていきましょう。
プログラミング検定小学生向け1「ジュニア・プログラミング検定」
画像出典:ジュニア・プログラミング検定|ジュニア・プログラミング検定 | 資格検定のサーティファイ│あなたのスキルアップを応援します|
まず1つ目に紹介する小学生向けプログラミング検定は「ジュニア・プログラミング検定」です。
ジュニア・プログラミング検定は「中学受験を考えている」「『まずはこれ』という検定を受けさせたい」という子どもにピッタリのプログラミング検定ですね。
ジュニア・プログラミング検定の基本情報をまとめました。
- 運営会社:株式会社サーティファイ
- 対象年齢(受験資格):年齢制限はなく子どもをはじめ大人でも受験可能
- 試験内容:Scratch(スクラッチ)を使い4級種に分かれてプログラミングスキルを測る
- 試験時間:30分~50分
- 受験料:Entry(4級)2,400円・Bronze(3級)2,600円・Silver(2級)2,800円・Gold(1級)3,000円(各税込)
- 試験日:会場ごとに異なるので要確認
- 試験会場:プログラミング教室や小学校などの運営元(株式会社サーティファイ)から認定された場所(公式サイトで確認可能)
- 合格ライン:得点率60点以上
- サンプル問題や公式テキストの有無:○
運営元の株式会社サーティファイは「C言語プログラミング能力認定試験」「Java(TM)プログラミング能力認定試験」などの検定もおこなっています。
またジュニア・プログラミング検定は、イー・ラーニング研究所が実施した「子どもに取らせたい資格はなんですか」のアンケートで、2位になった実績があるほどの人気(2020年10月13日発表)。
参照・参考:「取らせたい資格は「英検」などが人気 =イー・ラーニング研究所調べ= | ICT教育ニュース」
運営元として信頼できるところなので、安心して検定を受けられますね。
さて、こちらの検定では以下4級種のレベルを受けられます。
- Gold(1級)
- Silver(2級)
- Bronze(3級)
- Entry(4級)
試験内容は、例えば「複数の条件や道筋を組み合わせることができるか?」「条件分岐や繰り返しができているか?」など、Scratchを通じてプログラミングの基本が問われます。とにかく、Scratchに使い慣れていることが大事ですね。
さらにジュニア・プログラミング検定は、入試優遇措置をとっている中学校もあるのが魅力。
令和3年度(2021年)入学対象者に、ジュニア・プログラミング検定の合格者に優遇措置をおこなっている中学校は以下のとおり。
- 日出学園中学校(千葉県)
- 八王子実践中学校(東京都)
- 相模女子大学中学部(神奈川県)
- 愛知真和学園 大成中学校(愛知県)
このようにジュニア・プログラミング検定は、「受験するメリットそのものが高い」という点でおすすめしています。
なお、公式テキストとして「Scratch 3.0で楽しむ レッツ! プログラミング ジュニア・プログラミング検定 公式テキスト」が登場しています。ぜひ試験対策に購入してみてはいかがでしょう?
ジュニア・プログラミング検定を解説した記事もあるので、ぜひ参考になさってください。
ジュニア・プログラミング検定の公式サイトはこちら。
ジュニア・プログラミング検定|ジュニア・プログラミング検定 | 資格検定のサーティファイ│あなたのスキルアップを応援します|
プログラミング検定小学生向け2「ロボプロ検定」
2つ目に紹介する小学生向けプログラミング検定は「ロボプロ検定」です。
「エジソンアカデミーに通っている子」「ロボットが好き」な子どもなら、受験しないともったいない検定です。
ロボプロ検定の基本情報をまとめました。
- 運営会社:株式会社アーテック
- 対象年齢(受験資格):年齢制限はないが小学3~4年生向け
- 試験内容:アーテックロボを通じ「知識テスト」でプログラミングとロボットの仕組みについて問われ、「技能テスト」でロボットの組み立てとプログラミングを組む
- 試験時間:知識テスト20分・技能テスト40分
- 受験料:2,200円(税込)
- 試験日:会場ごとに異なるので要確認
- 試験会場:エジソンアカデミーの教室
- 合格ライン:知識テストはランクや実施する回で異なり、技能テストはスコアシートを使い課題をいくつ達成できたかで確認
- サンプル問題や公式テキストの有無:×
ロボプロ検定は、株式会社アーテックのアーテックロボを通じてテストがおこなわれます。テストは2通り。知識テストと技能テストとあり、テストのレベルは以下の4段階です。
- プラチナランク
- ブロンズ
- シルバー
- ゴールド
例えばブロンズの知識テストだと、10問の選択問題からプログラミングの基礎的な理解、センサーやモーターなどの仕組みなどを問われます。
技能テストだと「ロボットを制作 → プログラミングを組む → ロボットに転送する」までできるかチェックされます。
いかに普段からアーテックロボをいじっているか、組み立て慣れているかが問われますね。
なお、ロボプロ検定には公式サイトはございません。気になる点があれば、株式会社アーテックに問い合わせるといいでしょう。
ロボプロ検定を紹介した記事はこちら。
株式会社アーテックが運営する、ロボットプログラミング教室エジソンアカデミーを紹介した記事はこちら。
プログラミング検定小学生向け3「日商プログラミング検定」
3つ目に紹介する小学生向けプログラミング検定は「日商プログラミング検定」です。
日商プログラミング検定は「テキスト言語に挑戦したい」「複数のプログラミング言語を習得したい」という子どもに、ぜひ挑戦してもらいたい検定ですね。
日商プログラミング検定の基本情報をまとめました。
- 運営団体:日本商工会議所
- 対象年齢(受験資格):年齢制限はなく子どもをはじめ大人でも受験可能
- 試験内容:ScratchをはじめC言語などを使い、4段階に分かれてプログラミングに関する基本的な知識、スキルを問う
- 試験時間:30分~80分
- 受験料:ENTRY 3,300円・BASIC 4,400円・STANDARD 5,500円・EXPERT 6,600円(各税込)
- 試験日:会場ごとに異なるが、毎月第3金曜日に統一して実施
- 試験会場:パソコン教室など商工会議所から認定された場所(公式サイトで確認可能)
- 合格ライン:知識科目は70点以上、STANDARDとEXPERTは実技科目3問完答であること
- サンプル問題や公式テキストの有無:○(公式テキストではないが参考テキストあり)
日商プログラミング検定の運営元は、日商簿記検定の運営団体でもある日本商工会議所。「簿記検定の運営団体と同じなんだ」と思うと安心感がありますね。
日商プログラミング検定は、まとめて複数のプログラミング言語の知識を身に付けられるうえに、レベルごとに言語が異なるのが特徴。
日商プログラミング検定では以下の4段階のレベルに分かれています。登場する言語もあわせて記載しました。
- EXPERT(C言語・Java・VBA・Python)
- STANDARD(C言語・Java・VBA・Python)
- BASIC(言語は使わずコンピューターの仕組みなどを問う)
- ENTRY(Scratch)
試験では、プログラミングの基礎(変数や条件分岐)、コンピューターの仕組み、さらにプログラミング言語別に基本能力が問われます。
なお、日商プログラミング検定は参考テキストもあるので試験対策をしておくといいでしょう。
ENTRYだと「できるキッズ 子どもと学ぶ Scratch3 プログラミング入門」
BASICだと「日商プログラミング検定BASIC公式ガイドブック」
STANDARDだと「日商プログラミング検定STANDARD C言語公式ガイドブック」
サンプル問題もあるので、力試しにもできます。
日商プログラミング検定の公式サイトはこちら。
プログラミング検定小学生向け4「サイバーエージェント キッズプログラミング検定(プロ検)」
画像出典:小学生のための サイバーエージェント キッズプログラミング検定
4つ目に紹介する小学生向けプログラミング検定は「サイバーエージェント キッズプログラミング検定(プロ検)」です。
「ScratchとQUREOを使いこんでいる」子どもにピッタリの検定なので、ぜひ挑戦してみることをおすすめします。
サイバーエージェント キッズプログラミング検定(プロ検)の基本情報をまとめました。
- 主催会社と運営会社:主催は株式会社サイバーエージェント、運営は株式会社CA Tech Kids
- 対象年齢(受験資格):小学1年生~小学6年生
- 試験内容:ScratchとQUREOの2種類のビジュアルプログラミング言語を使い、10級から1級までに分かれてプログラミングスキルを測る
- 試験時間:60分
- 受験料:各3,000円(税抜)
- 試験日:公式サイトで要確認(2019年には8月に実施)
- 試験会場:サイバーエージェントの各オフィス(2019年では東京都と大阪府のオフィスで実施)
- 合格ライン:得点率70%以上
- サンプル問題や公式テキストの有無:○
サイバーエージェント キッズプログラミング検定(プロ検)は、以下の10級に分かれており、ScratchとQUREOを通じてテストされます。
- 1~3級(上級):リストと関数などの概念、およびそのブロック(コマンド)の使い方
- 4~7級(中級):変数・四則演算・論理演算などの概念、およびそのブロック(コマンド)の使い方
- 8~10級(初級):条件分岐・座標・角度の概念、およびそのブロック(コマンド)の使い方
ただこちらの検定、2019年は実施されているのですが2020年は今のところ実施されていません。受験予定の方は、公式サイトで随時スケジュールを確認するといいでしょう。
ちなみに、「いずれテキストプログラミングも実施予定」とのことですので、さらに力試しの幅が広がるかもしれませんね。
サイバーエージェント キッズプログラミング検定(プロ検)は、こちらで試験範囲を確認できます。
サンプル問題はこちらからどうぞ。
サンプル問題|小学生のための サイバーエージェント キッズプログラミング検定
サイバーエージェント キッズプログラミング検定(プロ検)の公式サイトはこちら。
小学生のための サイバーエージェント キッズプログラミング検定
プログラミング検定小学生向け5「ロボット技術検定」
画像出典:一般社団法人 ロボット技術検定機構
5つ目に紹介する小学生向けプログラミング検定は「ロボット技術検定」です。
ロボット技術検定は、ロボットプログラミング教室Crefus(クレファス)協力のもと運営されています。「Crefusに通っている」「レゴ社製のロボットを持っている」子どもにぜひ受けてもらいたい検定ですね。
ロボット技術検定の基本情報をまとめました。
- 運営会社:一般社団法人 ロボット技術検定機構
- 対象年齢(受験資格):「For EV3」は小学生以上で教育用レゴ(R) マインドストーム(R)EV3を持参できること、「For WeDo 2.0」は小学1年生以上でレゴ(R) WeDo2.0を持参できること
- 試験内容:指定のロボットを通じた制作と筆記問題
- 試験時間:「For EV3」は60分~90分、「WeDo 2.0」は40分
- 受験料:ロボット検定For EV3(3級3,150円・準2級3,650円・2級4,650円・準1級5,650円・1級6,650円)、ロボット検定For WeDo 2.0(3級2,800円・2級3,800円・1級4,800円)(各税抜)
- 試験日:会場ごとに異なるため公式サイトで要確認
- 試験会場:Crefusの教室やKicksのプログラミング教室(公式サイトで確認可能)
- 合格ライン:70点以上
- サンプル問題や公式テキストの有無:○
ロボット検定は「For EV3」「For WeDo 2.0」の2つの検定があり、いずれもレゴ社製のロボットを使います。
それぞれの検定で筆記試験と実技試験がおこなわれます。どのような試験内容なのかまとめ
- 【「For EV3」での試験内容】
- 教育用レゴ(R) マインドストーム(R)EV3を通じた試験
- 筆記試験ではプログラミング(変数やサブルーチン、C言語)について問われる
- 実技試験では実際にロボット制作をする
- 【「For WeDo 2.0」での試験内容】
- レゴ(R) WeDo2.0を通じた試験
- 筆記試験でギアや滑車の仕組み、プログラミングでの入力や出力などが問われる
- 実技試験では写真を見ながらロボットを組み立ててプログラミングを組んで動かす
合格のポイントは、いかにレゴ社製のロボットに慣れているかですね。何度も繰り返しロボット制作をして練習しましょう。
過去問題集はこちらから購入できるので、ぜひチェックしてみてください。
ロボット技術検定の公式サイトはこちら。
Crefusの紹介記事もありますので、ぜひ参考になさってください。
上級者向なら「Java(TM)プログラミング能力認定試験」もおすすめ
画像出典:Java™プログラミング能力認定試験│資格検定のサーティファイ│あなたのスキルアップを応援します|
最後6つ目に紹介するプログラミング検定は「Java(TM)プログラミング能力認定試験」です。冒頭で登場した「ジュニア・プログラミング検定」と同じ、株式会社サーティファイが運営しているプログラミング検定ですね。
Java(TM)プログラミング能力認定試験は、テキストプログラミング言語のJavaの能力を問う検定。
「テキスト」と聞くと難しいイメージがあるかもしれませんね。
しかし「Javaを学んでいる」「テキストプログラミング言語の習得を目指している」など、さらに上を目指している子にぜひ挑戦していただきたい検定ですね。
Java(TM)プログラミング能力認定試験の基本情報をまとめました。
- 運営会社:株式会社サーティファイ
- 対象年齢(受験資格):年齢制限はなく誰でも受験可能
- 試験内容:プログラミング言語のJavaの基礎知識、プログラムの作成、事前に後悔しているテーマプログラムの仕様変更など3級に分かれて問う
- 試験時間:60分~150分
- 受験料:3級5,200円・2級6,400円・1級7,800円(各税込)
- 試験日:公式サイトで要確認(1級は年に1回・2級は年に2回・3級は年に3回)
- 試験会場:専門学校や大学のキャンパスなど(公式サイトで確認可能)
- 合格ライン:得点率60%以上
- サンプル問題や公式テキストの有無:○
実際のところ、小学校のプログラミング教育では、まだテキストコーディングを使いません。Scratchなどのビジュアルプログラミング言語を使います。
しかし子ども向けプログラミング教室の中には、高学年になるとRuby・Javaなどのプログラミング言語を学習するところがあります。
また、Javaは仕事につながりやすく学習環境も整っており、人気のあるプログラミング言語の一つ。
だからこそ、Javaを学んでいる子に挑戦してみてほしい検定なのですね。
Java(TM)プログラミング能力認定試験は、問題集や推薦書籍も登場しています。事前の試験対策ができるのでチェックしておきましょう。
わかりやすいJava入門編
Java(TM)プログラミング能力認定試験の公式サイトはこちら。
Java™プログラミング能力認定試験│資格検定のサーティファイ│あなたのスキルアップを応援します|
プログラミング検定を小学生のうちに取っておいたほうがいい理由と注意点
この章では、小学生のうちにプログラミング検定を取っておいたほうがいい理由と、注意点をお伝えしましょう。
入試優遇措置をとっている中学校があるので受験に有利
小学生向けプログラミング検定の中には、入試優遇措置を取っている中学校があります。代表的なのがジュニア・プログラミング検定ですね。
そのため私立の中学校に受験予定の子なら、検定を取っておくことは確実に有利なのです。
今のところ、入試優遇措置を取っている中学校は都市部ですが、検定合格者への優遇措置はさらに広がっていく可能性が高いでしょう。
子どもの中学受験を予定している方は、検定と受験の兼ね合いも考慮してみてあげてください。
受験することで理解度の確認やモチベーションの持続につながる
プログラミング検定を受験することは、理解度の確認や学習へのモチベーションの持続にもつながります。
学習で大事なのは目標設定をすること。その目標の一つに検定の合格を置いてみてはいかがでしょう?検定に挑むことで、子どもの実力と理解度の再確認、「これだけの力がある」という自信にもつながります。
子どもに「やればできる」という感覚を身に付けさせることができれば、さらに次のプログラミング学習につなげることもできます。
検定に合格することも大事だけど、その過程やその後の学習が大事
プログラミング検定に合格することは大事です。しかし注意点として、実は最も大事なのはそれまでの過程やその後の学習です。
よく「目的と手段を履き違えるな」といわれますが、それと同じで「検定に合格」でプログラミング学習を終えてしまうのではもったいないこと。
大事なのは、プログラミング検定の合格によって「最終的にどんな自分になりたいのか?」を子どもに意識させることです。
「何のためにプログラミング学習をするのか?」を考えてみて、子どもの最終的な目標を見失わないようにしてあげましょう。
【まとめ】子どもに合ったプログラミング検定を目指してぜひ挑戦してみよう
小学生向けのプログラミング検定についてお伝えしてきました。最後にお伝えしてきた小学生向け検定をまとめましょう。
- 「中学受験を考えている」「まずはこれ」ならジュニア・プログラミング検定
- 「エジソンアカデミーに通っている子」「ロボットが好き」ならロボプロ検定
- 「テキスト言語に挑戦したい」「複数のプログラミング言語を習得したい」なら日商プログラミング検定
- 「ScratchとQUREOを使いこんでいる」ならサイバーエージェント キッズプログラミング検定(プロ検)
- 「Crefusに通っている」「レゴ社製のロボットを持っている」ならロボット技術検定
- 「Javaを学んでいる」「テキストプログラミング言語の習得を目指している」ならJava(TM)プログラミング能力認定試験
- 小学生向けプログラミング検定は入試優遇措置を取っている中学校があるので有利
- 「検定に合格して終わり」ではなく、その過程やその後の学習が大事
子どもに合ったプログラミング検定を目指して、ぜひ挑戦してみましょう!